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2015年1月11日日曜日

ウェールズのクリスマスの想い出(その5)

そしていよいよクリスマス当日。

クリスには前妻との間に娘が二人いるんだけど、彼女たちは今回こちらには来られなかったので、クリス、ベン、ポール、私の4人で過ごすクリスマスデーとなりました。

前日にクリスに何か手伝うことはないか聞くと「今回はターキーに詰め物はしないし、オーブンに入れて、後は野菜を用意するぐらいだから大丈夫」とのことだったんだけど、そのターキーをオーブンに入れる作業をするのが朝の7時だという。ひー。何だか申し訳ないので私も頑張って7時に起きようかと思ったけど、ベンに「クリスも、ターキーをオーブンにさえ入れちゃえばまたベッドで二度寝するかもしれないし、大丈夫だよ」と言われ、そうかぁ〜、なんつって、結局9時半ぐらいまで寝てしまった。

正午(ほんとにきっかり正午なのね)シャンパンで乾杯した後、お待ちかねのプレゼント開封〜。みんなでツリーが飾ってある部屋に集まり、1つずつプレゼントを開けていく。「おお〜」「あ〜」「ほほぅ」「へぇ〜」とそれぞれにいろんな反応をしながら、お互いにコメントを述べ合う。それを見ていると、こっちの人がクリスマス前に「プレゼントどうしよー」「あーメンドくさー」とか言ってるのを耳にするけど、なんだかんだ言ってもやっぱりみんなこの瞬間を楽しみにしてるんだろうなーと思う。私自身は、ファミリーメンバーそれぞれにプレゼントを用意するのは今回が初めてだったので、何をあげたらいいのやらと悩み、うーん毎年これは大変だなーとか思っていたんだけど、この「プレゼント開封タイム」を共有した後は、次回はもうちょい気の利いたものを見つけたいなあと思うに至りました、はい。

そろそろターキーもいい具合になってきた頃、クリスマスディナーの最終準備開始。ベンはターキーを食べないので、ヨークシャープディングにベジソーセージを入れたベジ版Toad in the Holeを作ります。他の人たちはソースを作ったり、野菜を準備したり。

ザ・男の厨房
途中でクリスがターキーをオーブンから取り出して、焼け具合と温度をチェック。この通り、どどーんと丸焼き。鳥肌がワイルド。
よしよし、順調ですぞ
スタッフィング(奥)と、チポラータ・ソーセージをベーコンで巻いた
その名もPigs in blanketsもオーブンにチャックイン
同時に、パンをミキサーで粉々にしたものをミルクとバターに混ぜ入れて溶かし、玉ねぎとクローブなどで風味をつけたブレッド・ソースを作る。ターキーにかけるソースの一つですが、コクのないホワイトソースみたいな感じで、うーん、何とも言えない味(笑)。英国人にとっては伝統的なソースということで、欠かせないのかもですな。

クリスが事前に仕込んでいた前菜、サーモンのテリーヌを切り分けて、テーブルにセット。これ、味がしっかりでとても美味しかった。食べごたえもかなりあって、これとパンとポテトぐらいで十分食事になっちゃいそうだった。
サーモンムースの中に見える緑の部分はインゲン豆
カリフラワー&チーズや、ローストポテトをはじめとするベジ類も次々にテーブルへ。


そうこうしているうちにターキーがこんがりと焼き上がりました。クリスが切り分けて、みんなの分をスライス。
「茶色い部分も欲しい?」と聞かれ、私は断って白い部分だけいただきましたが、
ポールはどっちも食べていた。後で試してみようかと思ったけど、満腹でムリでした……。
あとはテーブルの上に並んだベジ類などをそれぞれ好きなだけ取り分けて食卓につき、ワインで乾杯して、いただきま〜す。
これぞクリスマス・ロースト
ベンのベジローストはこんな感じ
ターキーはだいぶ昔に食べた時にあまり好きではなかった覚えがあったけどどうかなあ、と思いながら食べてみると……うーん、やっぱり独特のクセが気になりますな。でもちょうどいい焼き具合なのはわかった。グレイビーソース&クランベリーソースでいける。ボソッとした食感で、チキンと比べるとジューシーさにも欠けるので、どちらか選べと言われたら私は断然チキンだけど(第一、私はチキン、ポーク、ビーフ以外の肉は基本的に苦手)これはこれで好きという人がいるのもわかる気がする。

その他、ローストベジやらスタッフィングやら、すべて美味しかった。美味しかったんだけど、もう途中からお腹がパンパンになってきた。私はローストポテトが大好きで、ローストディナーの時はいつもたくさん食べちゃうんだけど、今回ばかりはもう2切れぐらいで十分。たかが野菜と思うなかれ、ローストベジって見た目以上にボリュームがあって、お腹が膨れるんだよね。ソース類もミルクやバターがたっぷり使われてるから、かなりリッチ。うおお。く、苦しい……。

最後はかなりスローダウンしながらも、どうにか平らげてフーッ。クリスマスクラッカーを鳴らし、中に入っているペーパーハットをみんなで被って、おまけに付いてくるおもちゃをそれぞれ披露し、またジョークとトリビアが書かれたメモをそれぞれ読み上げて、ハッハッハ(し〜ん)、と。これぞクリスマス〜。

と、ここで終わるわけもなく、続いてデザート。うう、もう入らん、と思いながらも、食べずにはいられない。クリスマスですもの。それじゃあ私はトライフルをいただきます、と言ってちょっとトイレに行っている間に、誰かが私のお皿にトライフルを山盛り盛ってくれていて、ひえーー。こんなに食えん。

しかし私は食べた。誰の挑戦でも受ける(by猪木)の精神で食べてしまった。最後は朦朧としてきたけど……もはやイーターズ・ハイ。
ベンはベンで、クリスマスプディングのカスタードがけをペロリと平らげていた
普段からワインにはこだわっているクリスが、前菜、メイン、そしてデザート用のワインまでしっかり用意してくれていたのだけれど、メインと一緒に供されたどっしりとした赤ワインをまだ飲み切れていなかった私たちは、デザートワインまで辿り着けませんでした。お腹いっぱいだとワインもますますどっしり感じるのね。最後はもう文字通り、息切れしました。食べ過ぎてぜーはーしちゃうって初体験かも。

午後3時半すぎに、予定通り、ジャンとクリスのお友達夫妻が幼い娘とともにやって来た。1時間ぐらい一緒に喋ったりしていたけれど、とにかくお腹がいっぱいで苦しい私は、ベンとポールとともに近所に散歩に出ることにした。あたりは暗くなり始めていたけれど、なぜかこの日はとても暖かく、風が全く吹いていなかった。雲が空に貼り付いているかのように完全に静止して浮かんでいて、まるで遠くにある一枚の絵を見ているかのようでした。

こんだけたっぷり食べたので、夜になっても全然お腹が空くことはなく、ローストディナーのパワーにただただ感服するのみであった。それでもクリスが作ってくれたクリスマスケーキを食べないわけにはいかねえ! というわけで、どりゃー!
たっぷりのドライフルーツとナッツでどっしり。マジパンとアイシングがめちゃ甘!
クリスマスケーキはかなり長期保存が可能(1年ぐらいもつとかいう噂)。クリスも1か月ぐらい前にこのケーキを作ったんだとか。しかしすごい! ほんとに。とっても美味しい〜、けど、この一切れでまた、満腹感200%まで一気に針が振り切れてしまいました。あうう。もうほんとに食えん。

この後(ってまだ夕方6時半ぐらい)はもう、ワインさえも飲まず、水だけで過ごしました。ほんとです。
夜、ジャンを偲んでキャンドルを灯しました
しかし「例年通りのスタンダードを保とう」と言ってジャンの穴をしっかり埋め、ここまで見事にクリスマスディナーを仕上げたクリスには、もう、ただただ感謝、感激でした。料理はもともと嫌いじゃないらしいけれど、ジャンと過ごしたこの10年ぐらいはほとんど彼女が担当していたとのことで、自ら腕を振るいまくったのは久しぶりだったんだとか。それにしてもクリスマスレシピ本を買い込み、入念に準備して、デザートまで数種類作っちゃうなんて、もう脱帽です。

しかし最後に「さて、これでだいたい作り方はわかったかな?(ニヤリ)」とクリスに言われ、ドキッ! あうう、タ、ターキー丸焼きはちょっと私には……(汗)でも野菜とかその他のいろいろは来年どうにか、ハイ、みたいな。まずはオーブンをはじめ、こっちの調理器具を使いこなせるようにならないとな……。料理はまあ一応しますが、作るより食べる方が好きな私には、いやその前に、ここまで完璧なクリスマスディナーを見せられた後では、プレッシャーがデカすぎるってばよー!

today's disc: Daddy Cool/Boney M
こちらも「クリスマス懐かしのヒット」的な番組で流れたディスコチューン。スキー場みたいなところでアフロの兄さんと毛皮をまとったねーさんたちが横並びで踊ってるだけなのに、なぜか目が離せないPV......。

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